令和3年9月24日(金)

特定非営利活動法人 KATZOC理事長 黒田友恵氏より請願

➡以下のタイトルをクリックしてもらうと請願書がご覧いただけます。
人と猫が共生する社会の実現に向けた公的支援についての請願書

これをまとめるに至った理由について触れてみたいと思います。

平成29年だったと思いますが、「松原犬猫を救う会」のメンバーの方が4人、事務所を訪ねて来られ、「TNR」という活動をされていることを初めて聞きました。
T(捕獲)N(手術)R(元の場所に返す)が分かっている前提で話が進む中、何のことだろうと疑問符が頭をよぎりながら話をじっくり聞いて、ようやく理解できた時には、「何故そこまで野良猫に対して熱いものを持っておられるのであろうと、不思議な思いと尊敬の念が生まれました。
というのも、自腹で活動資金を出され、その上、さくら猫(避妊・去勢手術した猫の耳を桜の花びらのようにカットされた猫)に餌をやるにも近隣住民から怒られ、時には警察も呼ばれたり、身の危険を感じながらも、なぜそこまで野良猫に接するのかと純粋に思った訳であります。私も知るまでは、野良猫に対する餌やりに怒りも感じていましたし、庭に糞尿をされ猫が疎ましくて仕方がありませんでした。
しかし、知ることによって考え方は一変しました。

まず必要なのは市民に広く認知されること。それが一番強く思った事でした。
その為には信頼される立場を確立し、その活動をしている人と無責任な餌やりと区別がつくように腕章をつけるかビブスを着るなどして差別化が必要だと感じました。
団体としては任意だったので市から周知啓発をしてもらうには法人化をした方が良いとの話もしました。
結果的には皆さんの活動スタイルからは法人化は難しく、既存のNPO団体の傘下に入る形になり、それでも怒られながら人目に触れない地道な活動が着実に不幸な猫を減らしていかれました。

大阪府の「所有者のいない猫対策事業」が平成30年度から始まり、それまでなかなか進まないとされていた「地域猫活動」が天美我堂で行われることとなりました。府の予算の関係上、松原だけで使い切ることも出来ないことと、頭数に限りがありましたので、計画性を持ちながら進めてこられました。
それから、公益財団法人どうぶつ基金の行政枠チケットが使えるようにKATZOCの黒田さんに依頼され、市の担当部署に働きかけた結果、承諾を得て、それから一気にTNRが進んだように思います。
どうぶつ基金のチケットを活用して約650匹がさくら猫となりました。
その実績を裏付けるように、死体で回収する猫の数も減り、ピーク時のH30の815匹からR2の544匹まで減少しました。
このまま、他の地域でも地域猫活動が進むことを聞いていたもののやはり警察に通報され、警察としても分かってながらも出動しなくてはいけないところもあるようですが、中には府が推奨していることを知らない警官もおり、きちんとしているボランティアさんにかなりの罵声を浴びせることもあるようです。
そんなことを相談受ける度、もっと地域猫活動がしやすい環境を作らないと、このままこの人達に任せっきりでは申し訳ないという気持ちが強くなり、当初は条例を作ろうと動き始めました。
しかし、いきなり条例と言っても単なる理念条例では役に立たないし、議員提案で制定するとしても全会派一致にまで持っていける自信がまだありませんでした。
なので、先ずはKATZOC理事長の黒田さんに請願を出してもらい、参考人として呼んで色んな委員から質問して貰えたら周知も理解も進むだろうと思い、請願書から入りました。
下地の原稿は黒団さんからの資料を基に作成し、先輩議員にも教えを請い、期限ぎりぎりで一定の仕上がりまで持っていくことが出来ました。
それを受けて24日の総務建設委員会で参考人招致が行われる予定が、コロナ禍で叶わず、紹介議員の代表として私が指名を受けて説明をすることになりました。約10分に渡り市長以下理事者に訴え、全委員の賛同受けて無事委員会での採択を頂いた訳であります。
(しかし、来月5日の本会議で全議員による採択がないと正式には扱われません。)

そもそも、議長以下全ての議員の賛同を頂いた事はとても心強い事であり、私が議員になってまだ浅いですが、経験のない事でした。
それは野良猫の問題は住民から大なり小なり相談を受け、解決困難な事例を間近に見てきたからこそ、不幸な境遇に置かれている野良猫を減らす活動に理解が得られたのだと思っています。
野良猫の問題は社会の問題でもあります。
近隣住民が野良猫を通じていがみ合うのではなく、さくら猫を静かに最後まで見守りながら地域の関係性を改善していくことが本来の目的だと確信しています。

今後は市の協力体制がどう整うのかしっかりと見届けなければなりませんし、実効性のある議員提案条例の制定もその先に見据えつつ、地域が安心に暮らせるようになりようにこれからも頑張って参ります。