まつばら未来会派視察(高知県日高村)

令和6年1月22日(月)午後1時30分~午後3時30分
於:日高村役場 議会事務局会議室
日高村議会 副議長 池田 雄氏
企画課長 山﨑 明氏
企画課主幹 安岡 周総氏

◆視察目的
高知県の中央部面積約45㎢、人口約4,800人の日高村で、日本初のスマホ普及率100%を目指す取り組みが村政にとってどう影響を及ぼすのか、住民にとってどう有意義な環境を整えることが出来るのかを学ぶことを目的として伺いました。

◆所感
「村まるごとデジタル化事業」は内閣官房デジタル田園都市国家構想において夏のDeji田甲子園でベスト4に入り、SDGsでいう誰一人取り残されない社会の実現をテーマに、高い評価を受けた取組みです。

もともとのきっかけは、少子高齢化・人口減少、財源・マンパワー不足を背景に、住民、特に高齢者との距離を縮めたいという考えの下、住民から見た役場を変えたいという思いがあったとお聴きしました。

当初、村で65%だった普及率は全国平均並みでしたが、昨年4月時点では86%にまで上昇しました。

2045年には人口は2400人と半減し、高齢化率は43%から59.57%にまで上昇することが予想され、行政サービスの在り方の変革は急務です。

デジタル化によって住民サービスの維持及び増進を目的としましたが、特に高齢者は本当にデジタルツールを使えるのか、また、使えるようにしていくことが必要とされる状況で高齢者との直接対話を基本としたとありますが、一番地道でかつ効果的なやり方なのだと思いました。

高齢者にとって、視認性の高いタブレットの方が良いのではないかと思われがちですが、携帯性を考えてスマホに重点を置いたとのことです。

スマホの普及率を上げることは、情報を収集したり、その得られた情報を基に行動、あるいは生活に活用し、行政手続き等も自分で出来るようになることが住民自身の自助力を上げることに繋がると考えられました。

当初は反対意見も多かったが丁寧な説明を心がけ、スマホに触って貰ったりする中で1年ほどかけて興味を持つようになって貰えたとのこと。

デジタルディバイド層の解消を達成するには住民間のクチコミに頼るところが大きく、また総務省のデジタル活用事業の交付金を利用して、お笑い芸人によるスクール形式を実施したり、住民の都合を優先した形でいつでも対応する「よろず相談所」を設置されました。

対応するには専門的知識を要することから携帯電話のキャリアスタッフを役場の臨時職員として採用したことが対応のポイントであったと思います。

また、購入に際してはキャリアでキャンペーンを実施して貰い、通信費等のランニングコストは村負担としてポイントとして付与し、村内で活用できるようにしたそうです。

原資には企業版ふるさと納税を活用し、県立大学等との連携、みらくるプロジェクトといわれる事業を展開し、企業にも参加もしてもらう中で健康アプリを開発・実装することを進めておられます。

マイナンバーカードの普及が求められる中、保険証との統合も計画され、マイナンバーカードの機能がスマホに搭載されたことで、スマホを所有する動機がより明確となってきています。まだまだデジタル化が進んでいない自治体も存在しますが、他の自治体や事業者との連携の下研究を進め、デジタル化を推進し、基に誰一人として取り残されることのない社会の実現に向けて住民も行政をたゆまぬ努力していかなくてはならないと感じました。

まつばら未来会派視察(高知県南国市)

令和6年1月22日(月)午後9時00分~午前10時30分
於:南国市スポーツセンタータワー見学
南国市 危機管理課 危機管理係課長補佐兼係長 野村学氏
議会事務局議事調査係主幹 三谷容子氏

◆視察目的
南海トラフ地震の発生確率が高まる中で、2011年の東日本大震災の津波災害がもたらした被害はかなり大きく、それを機に南海トラフ地震の津波被害想定が見直され、これまで大丈夫とされていた高台では人命が助からないであろうとされた。そこで市内に被害想定区域内の住民が避難できる津波タワーを短期間で建設し、いつ発生してもおかしくない南海トラフ地震に備えた。2024年元日の能登半島地震で発生した津波災害においては震源地が沖合近くで震源地が浅かったことから到達する時間が数分と短かった。南国市沿岸部に居住する住民の不安が募る中、予め対応できる公助の現状を調査研究することが目的である。

◆所感
高知竜馬空港に降り立って直ぐに南国市スポーツセンタータワーを訪れました。職員の野村さん・三谷さんに出迎えて頂き、説明を順に受けました。東日本大震災の被害状況から被害想定を見直し、内閣府の指針では半径300mに一つ、概ね5分以内に避難できる距離に津波タワーを設置する方針とし、平成24年度と25年度の僅か2か年で14基の津波タワーを建設されました。
国の加速化交付金を活用し、1基あたり約1億8千万円(内用地費約4千万円)かかっているそうです。地域についてはどこも早く建設してほしいとの要望で悠長なことを言っておられず、建設用地については地元で調整を済まされたようで短期間での建設が可能となったと聞きました。

14基には想定エリアに住む7000人の内、4800人が避難できる想定であり、残りは山へ避難します。15基目となる今回視察した津波タワーは近くのスポーツ施設の利用者向けのタワーであり最大想定避難者数は820人。

当初、体育館での避難を想定していたものの津波の水圧に耐えられないとなり、新たに追加で昨年建設されました。

想定水圧よりも3倍耐えられる設計にしているため、コンクリート製の柱はとても頑丈に作られています。一度に大勢が駆け上がれる幅の広い正面階段は約4千万円で強度は建築費用も嵩むことからそれほどではないそうです。もし破壊されたとしても階段は別に設置されているので初期の目的が達成されれば良しとの理由です。

津波の到達時間がとても早い為、来るまでの避難ではなく、高台へ優先して避難しなければならず、165ある自主防災組織は時には自主的に夜間の訓練もされておられるそうです。

また、万が一津波が発生した場合、40時間はタワーに滞在することを想定し、災害備蓄倉庫には毛布と水が今のところ備えられていますが、食料品等は市の持ち出しであることから課題となっています。

今後の建設計画を尋ねますと、土砂災害特別計警戒区域では大雨と地震が重なった場合を想定して2もしくは3基を増設する予定だそうです。

今回の視察を通して、高知県では昔から繰り返し起こった南海トラフ地震の被害から学んだことを基に、住民自らが強く意識して自助共助の訓練をすると共に、行政は奪われる住民の命を最小限に抑える為に、出来る限りの想定外を排除し公助の役割をしっかりと果たすことに尽力されているのだなと感じ取ることが出来ました。

本市でも、比較的安全な地域と思われていますが、想定外のことが頻繁に起きていることから、決して油断してはならないように住民危機管理意識を高めておくことがとても大切であると言うことを改めて学んだ視察でした。

2024活動報告チラシVol.15を発行しました

2024活動報告チラシvol.15

新年明けましておめでとうございます。という挨拶さえも憚るぐらいではありますが…
2024年元旦早々、能登半島に震源に広い範囲で大きな被害をもたらした大地震。
北陸地方を中心に今もなお大きな余震が頻発し、72時間の生存ラインを超えたことで住民の不安は増すばかりです。
被害状況が刻一刻と明らかになるにつれ、残した爪痕の深さに胸を痛めていますが、復興に何年かかるのか想像すら出来ません。
2050年には現在よりも4割以上の人口減少が危惧されている珠洲市や輪島市等で、今回の災害で益々加速することも予想されます。

地震大国ニッポンという言われる所以の災害が益々激甚化・頻発化しており、活動報告のご挨拶の中でも申し上げておりますが、被災者の暮らしは今後どうなるのか幾ら思いを馳せてもどうにかなるわけでもありません。
しかし、そういった災害を通して学びを深め、少しでも防災・減災に努める必要があります。
今年は辰年ということで様々な運が上昇気流に乗って、大きな幸せがもたらされることを期待して新年を迎えた人も決して少なくないと思います。
まだまだ始まったばかりの2024年が災害続きにならないことを祈り、皆様の安心安全が守られる日々が続きますようにと切に願い、新年の挨拶とさせて頂きます。

個人質問が終わりました

令和5年12月6日(水)

今回はこれまで疑問に思っている公共施設循環バス(ぐるりん号)の問題と少子高齢化から来る問題を抱えている2つのテーマについて質問しました

1.防災教育について 1.これまでの取組みと本市中学生に今後期待すること
きっかけは東京都荒川区の中学生の防災部の記事を見つけたことでした。
本市でも避難所運営マニュアル作りや避難訓練に中学生の関りを持ち始めてくれ、災害時には立派に活躍してくれている姿を見て、是非とも防災部を本市でも作れないかと言う提案をすることが目的でした。しかしながら今の防災教育を通じて、またインターナショナルセーフスクールの取り組みを通じて主体的に動ける訓練が出来つつあり、また母校の中学校では防災をテーマに、各中学校にある「人権サークル」が活動をしている中で、先日の中学校フェスタで生き生きと活躍している姿を見て、ひょっとしたら本市の中学生の方が進んでいるのかも、と思ったりしたほどでした。
まだ全中学校に広まっていないので、それを是非広めてもらって、災害時には中学生が活躍して貰える環境を作ってもらうことをお願いしました。
視察先の荒川区は東日本大震災の被災地との交流を毎年持っており、その点については本市も出来たらもっと意識が高まると感じました。
「助けられる人から助ける人に」これは私がかつて避難所運営に関わった時に実感したこと。
これは共通のコンセプトでした。
冒頭あいさつの時に荒川区議会議長さんが言っておられたのは、「助けられる大きなこどもではなく、助ける小さな大人への転換」が必要とのことでした。
目から鱗が落ちる一言でした。
本市も中学生がこれからの防災リーダーとして、また地域のリーダーとして活躍してくれることを期待します。

2.ぐるりん号について 1.2024年問題をどう捉えているか
平成11年度から市民の足として無料で運行している公共施設循環バス。
主に移動手段を持たない高齢者の足として、通院や買い物に利用されている。
数年前には、このぐるりん号の運行について疑問を持ったことから、代替え公共交通を真剣に考え、京丹後市まで視察もしたりしました。
オンデマンドバスが走る地域もちらほら出てきている自治体の情報も仕入れながら、担当課職員に色々と研究もしてもらいました。
結果は完全なるオンデマンドバスへの転換は難しいとのこと。地域の公共交通とのバランスが問題となる、と回答でした。
いったん断念はしましたが、昨今のドライバー不足と2024年問題から本市もドライバーの確保に今後悩むされる時が来るだろうから、今から地元の公共交通を活用して、なおかつ市民が喜び、市にもメリットがあるやり方への転換を図ることを研究しておくように要望しました。
時代の流れによって四半世紀前に始めた住民サービスのやり方が継続していけるとは限らない。
これ以上委託料の増額はありえないし、市外の観光バス会社に高い委託料を払うことよりも、市内の事業者を活用することをもっと意識しなければいけないと思います。
三方良しの施策を展開して貰うことを望みます。

3.総合型地域スポーツクラブについて 1.当該スポーツクラブの現状と今後における本市にとっての必要性について
本市では平成20年に3つのスポーツクラブが創設されました。
国の施策で「競技スポーツ」だけでなく「生涯スポーツ」としてのスポーツあり方もすそ野を広げていかなくてはいかないとの考えから全国の8割近くの自治体で3500を超えるクラブが出来ました。
しかし、15年余りが経つ中で高齢化が進み、クラブの弱体化も進みました。
会費だけでやりくりしているクラブは運営が非常に苦しく、自治体からの施設の指定管理委託を受けていたりしている収入があれば良いようですが、全体から見れば僅かな割合です。
もともと自主的、主体的に活動する団体で、本市でもクラブと市との付き合いはありませんでした。
ここへ来て何とか自治体の支援が必要だと言うことが言われ始め、それを議会で訴えました。
公益性が強い団体がスポーツ行政の一翼を担ってきたことを評価して、高齢化した今の組織を立て直すことは難しいであろうことから、新たに参入したいというところを核として、スポーツ関係団体や周辺の大学とも連携し、市民の健康増進のため松原市のスポーツ行政をしっかりと進めて貰いたいと思います。

松原市障害者施策推進協議会

本日、午後2時より標記協議会が開催され、議会選出委員として出席しました。
令和6年度から始まる松原市第4次障害者計画に基づく、「第7期松原市障害者福祉計画及び第3期松原市障害児福祉計画(素案)」について事務局から説明され、それに対しての質疑が行われました。

私が気になったのは、広く市民を対象に人権講座やイベント等の人権啓発活動をはじめ、教職員に対する人権研修等を積極的に進めたり、小中学校の児童生徒に対しては、出前講座で車椅子の体験学習等を通じて人権感覚を磨くための機会を提供している・・・との説明文がありながら、手帳所持者は障害があるがために差別や偏見を感じることの有無を問う設問で前回と今回を比較した結果では、有りの割合が増えており、所持者以外も障害者に対して差別や偏見が増えていると感じていることに矛盾を感じたところでした。
従って、何故そうなったのか分析が出来ているか質問しました。
事務局の説明では、人権に関する差別や偏見を勉強するほど知識が高まり、それに対する意識が増えた結果だと言うことでした。
と言うことは、知らない人が多いほど差別が無い社会だという結果になるのか。
ならば、知らない方が幸せな社会に近づくのか…
そうではないだろう。
手帳所持者からしても増えていることが説明できるか?
当事者は肌で感じているところなので、純粋に増えていることの原因は他にあるはず。
今後の課題とします。

福祉文教委員会視察(東京都荒川区)


11月7日(火)午前10時~11時30分
東京都荒川区 区役所5階にて
「防災部の取組について」

視察二日目は東京都荒川区を訪れました。
中学生が防災に関わっていることに大変興味を持ち、今回の視察のテーマに採用頂きました。
本市では、松原防災士会が主となって、各関係団体と協力の下、市危機管理課の並々ならぬご尽力で市内小中学校22校全てで避難所運営マニュアルを策定しています。作ったマニュアルは防災訓練の際に見直すことをしているのですが、一部中学校で生徒が訓練に関与したことから、防災部創設と言う荒川区の取組に惹かれました。
南千住第二中学校のレスキュー部創設がきっかけとなり、区内全ての区立中学校に防災部が広がりました。

「助けられる側から助ける側に・・・」

この考え方は私が2019年10月末に台風21号が大阪を襲った際、もう少しで大和川が氾濫する一歩手前まで水位が上がり、避難勧告が出された時、避難所に居合わせた経験からそういう考え方を抱いたのでした。
それを基に防災士資格取得の補助制度を市に求め、市長が快諾。
それが松原防災士会の始まりとなります。
助ける側の人を増やさなければ、避難所は運営できないのです。
それを当時、私は骨身にしみました。

8年前、荒川区長も同じような思いで、防災部を全校に広めたとお聴きしまいた。
部創設後、他のクラブと兼務して入部できる環境の下全校生徒の約1割の生徒達が地域、消防団、自主防災組織などとの関りの中で知識や経験を積み、自助・共助を実践されています。
ジュニア防災検定も受け、90~95%の割合で合格しているとのこと。
この活動を通して中学生は人との接し方を学んだり、顔の見える関係を築いたりと、防災というテーマだけでなく、中学生自身が成長する中でとても大切なものを身に付けて行っているようです。

私が最も気になっていた、防災部出身の子達がどういう進路を辿っているかということ。
そこは荒川区さんも中学校を卒業すると関わりが持てなくなり、しっかりとした情報を掴めてないと説明されていて、とても残念でした。
こういう場合は、その検証方法を先に見据えて考えておいた方が良いのだと思いました。

その後、各議員からも種々質問が飛び、有意義な視察となりました。

お時間いただいた荒川区の皆さん、ありがとうございました。