2024年6月25日 | 活動報告
令和6年6月24日(月)
福祉文教委員会協議会での一般質問を行いました。
①骨髄バンクドナー助成について
白血病を始めとする血液疾患の為、「骨髄移植」などの造血幹細胞移植が必要な患者さんとそれを提供するドナーとをつなぐ公的事業である骨髄バンク事業について質問しました。
日本では1992年から開始され、これまで多くの命が救われており、毎年6,000名ほどの方が白血病などの血液患者に罹患され、その内骨髄移植や抹消血幹細胞移植を必要とする患者さんが2,500人程度おられます。骨髄バンク事業によりドナーがほぼ見つかりますがドナー側の理由により約6割の方が提供を辞退され移植が成立するのが1,100人程度で常時1,000名を超す患者さんがドナーを待っています。
1人でも多くの患者さんを救うためには多くのドナー登録者が必要とされているのが現状です。
骨髄ドナーとして登録できる方の条件としては、骨髄・抹消血幹細胞の提供内容を十分理解した上で、年齢が18歳以上、54歳以下で健康状態が良好な方、及び体重が男性45kg以上、女性40kg以上の方が条件となります。
令和6年5月末の時点で、ドナーを必要とする患者登録現在数1,133人、ドナー登録者数は555,160人。
ドナー登録者数としては数だけをみると多く感じられるが適合の確率が数百分の1から数万分の1の低い確率の上、適合しても連絡がつかない、仕事や家庭の都合で出向けない、骨髄移植の健康被害リスクなどにより登録はしたものの、いざ提供となると辞退するドナーは多い現状です。
市内におけるドナーの登録状況では令和3年度は32名、令和4年度は65名、令和5年度は57名の方がドナー登録された。累計登録者数は、令和4年3月末時点で520人、令和5年3月末時点で550人、令和6年3月末時点で571人となっており、年間30人ほどの増となっています。
ただし、年齢が55歳以上になると登録者として抹消されていくので若いドナー登録者を増やしていかなくてはならない課題があります。
骨髄ドナー登録から、適合者がマッチングできた場合の移植までの流れについては、骨髄移植を希望されている患者さんとの白血球の型が一致すれば適合者として日本骨髄バンクからドナー登録者へ連絡があり、骨髄移植提供者として家族や本人の同意の確認がございます。
ここまでで通知から約1~2か月を要し、同意が取れたら健康診断等で健康状態の確認を経て、入院の上、骨髄採取となり、検査から退院まで約1週間を要します。
一連の経過期間としましては適合者としての連絡があってからコーディネート期間を経て骨髄採取し、退院するまで約3~4か月ほどかかるぐらい大変時間がかかるものであり、ドナー登録はしたもののそれだけの時間を費やすことにドナーも患者も辛抱強い対応が迫られます。
休業補償がされる企業は良いが、補償もなく一週間も休める人が中々居ないのも現実です。
その分の休業補償をしてくれる自治体があるとのことでこの案件を取り上げました。
骨髄バンクのドナー登録者を増やすことが一人でも多くの命を助ける為にはとても大事な取組であると思います。
ドナー登録をしていても、その時の状況から敢え無く移植に繋がらないケースが6割もあります。
しかしながら、仕事を休むことによってその間の収入が途絶えてしまう恐れを懸念して移植を断る方々にとってはとても有難い制度になるのではないかとの思いで骨髄を提供できる環境整備を進める為に、骨髄ドナーへの助成制度が必要ではないかと訴えさせていただきました。
令和7年度予算で計上されるか見届けたいと思います。
②市民と行政のパートナーシップのまちづくりについて
令和6年1月23日に高知市まで会派視察に行き、「こうちこどもファンド」について学んできました。
市制施行70周年を迎える本市の今後の展開にはとても有意義な事業であることを確信し、このタイミングで提案させて頂きます。
平成15年4月に「高知市市民と行政のパートナーシップのまちづくり条例」が制定されました。当時の高知市の時代背景として、まちづくりに対する市民ニーズの多様化、ボランティア活動や市民活動に参加する人が増加、あるいはNPOの活動の活発化や社会的な認識の高まりがありました。そこで、市民、NPO、事業者と市が互いにパートナーシップの構築に努め、協働して住みよい高知市の実現に寄与することを目的とされ条例化されました。
その当時は条例制定と共に「公益信託高知市まちづくりファンド」が設立され、高知市を住みよいまち、豊かな地域社会にしていくことを目的に、まちづくり活動を行う団体に対し、様々なコースで助成が行われました。
仕組みとしては、四国銀行が管理運営を任された信託管理人となり、そのファンドに市が出捐し、企業・市民は寄付をし、財団法人民間都市開発推進機構が出資し、それが助成金の原資とされました。
その後長く続いたファンドの見直しが平成23年に行われました。
助成してきた活動の3割程度が子ども関連、子ども関連の活動は地域を巻き込む大きな取組となる、また地域の住民全体への波及効果があることを確認したことで、「子どもが中心となったまちづくり活動への支援」「子どものまちづくり参画をベースとしたドイツ・ミュンヘン市の取組」に倣い、平成24年4月に「こうちこどもファンド」が設立されました。
市役所が2000万円を積み立て、企業・市民が寄付を行い、その原資で活動団体に助成する仕組みに変更されました。この仕組みの特徴は、子どもによる提案をこどもの審査員が助成決定を行い、子どもによる活動が実施されています。
その効果として期待されることは
①「子ども」を中心としたまちづくりの活性化
②将来の高知市のまちづくりを担う人材の育成
③子どもにやさしいまち高知市の実現
であります。
つまり、地域の人々を巻き込み、活性化に繋げ、子ども達の主体性の醸成、コミュニティ能力や市民性が育まれます。子どもの視点に立った新たな活動を支援、継続していくことで子ども達にとって住みやすい、やさしいまちが築かれていきます。
子ども達の可能性を伸ばし、人口減少や少子化にも負けない生きる力と困難な時代を突破する力を身に付けさせることが我々現役世代の役目ではないかと思い、今後の市の取組の柱の一つになることを願って提案しました。
2024年6月20日 | 活動報告
令和6年6月19日(水)
この日の最終質問者として演壇・質問席に立ちました。
❶持続可能な行政経営について
①行政資源である職員の体制の今後をどう見通されているか
私が市役所を平成25年度末で退職して約10年が経ちました。
そして、これまでの間、約半分は私の上司が退職することを順番に見送ることが当たり前でした。
しかし、後半は最近は同僚や後輩を見送ることが増えだしました。
この10年間で辞めた管理職数は下のとおり。
なお、( )内は課長級以上/定年退職者等含む全体
平成26年度 10人(1人)/28人
平成27年度 8人(0人)/31人
平成28年度 19人(3人)/38人
平成29年度 9人(1人)/28人
平成30年度 9人(1人)/30人
令和元年度 20人(4人)/44人
令和2年度 20人(6人)/43人
令和3年度 17人(2人)/29人
令和4年度 25人(5人)/55人
令和5年度 37人(8人)/42人
定年対処幾者数は平均15人ぐらいだが、令和元年度以降管理職の退職者が軒並み増えている。
この現象はいったい何だろうか・・・と頭を痛めます。
最近の若い世代はキャリアアップだの、描いていた仕事ではないだのと長く持たない話は良く聞いているのですが、子育てでまだまだ収入が要る年代以上の職員の退職が目立つ。
「そのあたりの動向から今後の見通しがどうなのか?
果たして組織を維持していけるのか?」
と、言った観点から質問をしました。
帰ってきた答弁は…
「若手職員のキャリア形成につながる研修を実施、社会人経験者の採用、デジタル技術を積極的に活用して事務の効率化や職員の適正配置など働きやすい環境の整備に努めている。今後においても人口減少や高齢化など変化する社会情勢に柔軟に対応することが出来る体制整備に努めてまいります」とのこと。
私が行ったシミュレーションではこのままでは危機的な組織体制になると思います。
管理職が辞めるということは指導あるいは仕事を教える人が居なくなるという事。
どういう現象が起こるかは容易に想像が出来ます。
時代の変化に応じて組織を立て直していくことが必要ですが、上司の背中を見て学ぶことは基本中の基本。
その上司が居なくなることで不安さが増していくだけ。
ましてや問題視したのは令和元年度から始まった係長昇任試験を受ける職員が減り続けていることです。
受験率で言いますと・・・
令和元年度 41%
令和2年度 24%
令和3年度 25%
令和4年度 19%
令和5年度 15%
受験対象者数は平均100人いる中でこの受験率です。明らかに減っています。
「組織として役職を充てられる枠ははめられているから大丈夫だ」と以前、人事担当者から説明を受けたことがありますが、だからと言って受験率が下がっているのを安心して見ていていいのか。
この日は担当部長の説明は、「産休・育休など子育て中なので今は受験は避けたいとの意見がある・・・」
試験が無いときは時期が来ると昇格させられていた時代からするととても優しくなりました。
受けなくなければ受けなくてよいのですから。
確かに団塊の世代が上司に多かった時代は係長になるのも40歳ぐらいだったようには思います。
今では上が少なくなってきているので昇格も早まっていますが、民間であればもっと早く昇格の時期は来ます。
受けない理由は本当にそうなんでしょうか・・・
実際のところはきちんと調査出来ているわけではないことがやり取りの中で分かりました。
憶測で物は言えませんが、共働きが進んで収入は確保できるのか、あるいは昇格することに対しての願望が無いのか、仕事をする上での何か障害となるものがあるのか。
そのあたりを調査しないと組織としてどう対応していかないといけないのか全く判断できません。
如何にモチベーションを維持向上させていくかがその組織の健全性を保つことになり、また良い人材が集まる要因にもなります。
しっかりと調査をして、早期退職と係長昇任試験の課題には取り組まないと、不幸になるのは市民だということを忘れてはなりません。
❷市民協働について
①地域の様々な活動の中核となる町会・自治会の将来をどう見ておられるか
②市として出来る事・やるべき事とは何と考えておられるか
年々町会離れが進んでいます。
簡単に言うと「町会のメリットが分からない」
特に若い世代は町会に頼らなくても生活できる、と考えている方が多いのではないでしょうか。
昔は団体で交渉しないと行政に聞いてもらえなかったり、入らないことで疎外感を感じたり…
現代は個人が主となり、人のことまで気を回すことが面倒だと思う人が増えてきているのはあながち間違っては無いと思います。
しかしながら、ボランティアを熱心にされている方もまだまだ多く見かけられますし、そういった大人の姿を観ている子ども達にも良い遺伝子が宿っているはずです。
災害時や病気で困ったときにはお互いさまの精神で付き合えるご近所付き合いが大切とよく言われます。
分かっていてもそれを煩わしいと思う方もおられる中で、これからの町会・自治会運営で悩まれているのは全国的な問題です。
「市民協働」と言う観点で行政を進めている松原市としては根幹をなす町会組織が弱体化することはとりもなおさず、行政運営に影響を及ぼします。
市長答弁では、「共通の課題認識の下、ハードソフトの両面で支援に努めているが、次代の担い手づくりが重要と捉え、来年迎える市制施行70周年を契機に未来の松原について考え、そして議論していく場を新たに設け、安心安全なまちづくりを推進していく」とのことが述べられました。
確かに同感です。
これから町を担っていく、それは松原市以外かもしれませんが、そういった次代の育成をしなければ将来は多様化が溢れすぎてまとまりのない個人社会に繋がりやしないかと心配します。
人は一人では生きていけないことを本能では分かっていながら、誰かがやってくれると思って任せてしまうことを選択する人が圧倒的ではないでしょうか。
町会も役員さんが高齢化していくことで閉塞感があふれています。
人が循環しないと新しい発想も生まれません。
しかしながら、地域を担うにあたって適当な年代の方は仕事を辞めることが出来ず、ようやく退職しても地域に入ってこられる年代ではありません。
町会のデジタル化を進めることで省力化を図り、情報が出来るだけ早く広く伝わることも今の時代には求められ、それを進めるスキルも必要とされます。
つまりはそれを支える人的、あるいは資金的なサポートがないと町会も前に進めません。
行政も町会の存続には危機意識を持っています。
町会が活性化することで市民協働が維持できるわけです。
地方では地域活性化の為に「地域おこし協力隊」といったその土地に根付いて自分の持つ能力を活かそうと頑張っている若者も増えています。
組織で働くよりも起業して活動するスタイルが今の世代の傾向にあるような気がします。
そういった若者のチカラを存分に活用できる地域にすることで個人と地域のお互いの望むことが実現できる社会になるのではないかと思っています。
本市には、そんな人材を登用して、うまく循環していく社会を目指して、現在下準備に励んでいます。