オガールプロジェクト視察in岩手県紫波町

「オガール」とはフランス語で「駅」を意味する「Gare」(ガール)と紫波の方言で【成長】を意味する【おがる】を会わせた造語です。

JR紫波中央駅前の町有地10.7haを中心とした都市整備を図るため、町民や民間企業の意見を伺い、平成21年3月に議会の議決を経て紫波町公民連携基本計画を策定し、その基本計画に基づき、平成21年度から始まった紫波中央駅前都市整備計画事業について学びました。

全国市議会議長会研究フォーラムで岩手県を訪れるにあたり、「公民連携」に関心があった事から、まちづくりを公民連携で進めている紫波町にたどり着き、本日視察に伺ったわけです。

この一帯の地域では基本計画を策定した当時の町長の「循環型まちづくり」の方針が様々な所に根付いており、環境と福祉のまちづくりが実現しています。

行政主導の計画ありきで破綻してしまうシナリオ避け、オガール紫波株式会社が事業の推進、調整、不動産開発、企画管理運営を手掛け、今の事業を軌道に乗せているところに非常に関心を持ち、1時間半程度の座学の後、施設を案内していただきました。

その施設として、

①オガールプラザ(官民複合施設)

・PPP手法による

・テナント先付け逆算方式

・産直販売スペース

・図書館

・地域交流センター

・子育て支援センター

・歯科、眼科、カフェ、居酒屋、学習塾、事務所

②オガールベース(民間複合施設)

・オガールイン(ビジネスホテル)

・オガールアリーナ

(日本初のバレーボール専用体育館)

・入居テナント(コンビニ・薬局等)

・紫波スポーツアカデミーの拠点

(バレーボールを通じた人材育成)

③紫波町役場庁舎

・PFI方式

・地域熱供給による冷暖房システム

・トイレ洗浄水の雨水利用

・太陽光発電等

④オガールセンター(官民複合施設)

・紫波町こどもセンター

・小児科と病児保育室

・アウトドアショップ

・ピザレストラン

・トレーニングジム

・キッズ英会話教室

・美容室

・事務所

⑤オガール保育園

・民設民営の150名定員

⑥エネルギーステーション

・木質チップ焚温水ボイラー

・全施設の熱供給を賄っている

⑦岩手県フットボールセンター

・岩手県サッカー協会主体

・民設クラブハウスは町に寄付

・町は土地の賃貸

⑧オガールタウン

・57区画の分譲住宅

・指定事業者は町内の会社

・エコハウス基準を満たすことを条件

松原市でも行政課題を乗り越えるための一つの手法としての「公民連携」を取り入れることを提案していきたいと思います。

東日本大震災の震災遺構を巡りました

昨日は、宮城県石巻市の大川小学校から始まり、南三陸町の防災対策庁舎、岩手県陸前高田市の奇跡の一本松を巡りました。

震災後、ずっと被災地を訪れたかったのですが、ようやくこの機会を得ることが出来ました。

まず、大川小学校では語り部さんにお世話になり、当時のお話しをつぶさに語っていただきました。

語り部さんは、当時、お母さんの帰りを自宅で待つ高校生の息子さんが津波に飲まれた遺族でもあり、息子さんの話になると涙を目ににじませながら語られる場面もありました。

訴訟にまで発展した大川小学校のことは誰もが耳にしていると思います。

当時、児童74人(内行方不明4人)、先生10人の尊い命が奪われましたが、遺族には市から間違った説明がされていました。

納得のいかない遺族は真実を知るために生き残った子どもや先生、被害状況の検証などから少しずつ真実に近づいていきました。

ここでは詳細に記載しませんが、もともと遺族は裁判を起こすことなど望んでいたわけでは無く、ただただ事実が知りたかったわけです。

なぜ、直ぐそばの山に登らなかったのか。

なぜ、違う方向に逃げて波に飲み込まれたのか。

真実を隠そうとする市から、明らかにするためには裁判を起こすしかなかった。

遺族が子どもの命に値段を苦しみながら付けなければならなかったことも知りました。

心ない人からの誹謗中傷に傷つき、生き残った子どもさんも震災の影響で未だに引きこもってしまっていることなど、報道がされないことも多々あります。

まだ、本当の意味での復興はされていないのです。

現場に立ってこそ分かること、感じることがあります。

語り部さんも是非、現場に来て欲しい。

そう、仰っていました。

確かに震災後約13年が過ぎ、もと建物があった場所は更地のままの所が多く、復旧工事が進んだことで当時と様子はスッカリ変わってしまっているので悲惨さを知るには当時の写真や映像からしか知ることは出来ませんが、それでも現場に立つことで、想像力を働かせ、当時のことを感じ取ることが出来ました。

今もなお、心に深い傷を負って生活されている遺族の皆さんのことを思うと言葉も出ません。

昨日も次から次へと大川小学校に訪れる方がおられました。

ただ遺構を見るのでは無く、語り部さんの言葉を受け止め、しっかりと心の目で観て感じ取って貰いたいです。

後世に伝えることが何よりの防災減災に繋がることを改めて理解することが出来ました。

文章のボリュームが出すぎてしまいますので、南三陸町の防災対策庁舎、奇跡の一本松については写真の掲載に留めたいと思います。

第19回全国市議会議長会研究フォーラムin盛岡市

全国各地の多くの議員が会場となるトーサイクラシックホール(岩手県民会館)に集まり、今回のテーマである「主権者教育の新たな展開」として学ぶことになりました。

盛岡市議会・盛岡市からの歓迎セレモニーやご当地の「盛岡さんさ踊り」で心温まる演出してくださり、その後の菅義偉元内閣総理大臣のビデオメッセージでフォーラムはスタートしました。

地方議会の課題と主権者教育と題してパネルディスカッションが行われ、各方面で研究されている方々からの調査報告がなされました。

主権者教育とは法律の話や選び方など、選挙についての知識や啓発を行う教育という認識が強く感じられますが、政治とは未来を創る事であり、主権者教育とは未来を創る人材を育てる手段であると言う観点から考えないといけません。

これからの日本が抱える困難な課題を解決するためには若者の政治的視野を広げることが肝要であり、自分達の行動で国や社会を変えられる感覚を養えるように、こども・若者と共に活動に参画できる機会をつくることが大事だとの教えがとても印象深く、今後の主権者教育を考える上での重要な指針となりました。