令和6年第4回定例会開会

令和6年11月29日(金)午前10時
第4回定例会が開会されました。
提案された議案は以下のとおり。

〇報告第11号 令和6年度松原市一般会計補正予算(第4号)専決処分の承認を求めることについて
〇議案第50号 令和6年度松原市一般会計補正予算(第5号)
〇議案第51号 令和6年度若林財産区特別会計補正予算(第1号)
〇議案第52号 市長の退職手当の特例に関する条例制定について
〇議案第53号 松原市職員の退職手当に関する条例の一部を改正する条例制定について
〇議案第54号 松原市立公民館学校幼稚園使用料条例の一部を改正する条例制定について
〇議案第55号 松原市少年自然の家条例を廃止する条例制定について
〇議案第56号 松原市路上喫煙防止条例制定について
〇議案第57号 松原市民松原図書館に係る指定管理者の指定について
〇議案第58号 スポーツパークまつばらに係る指定管理者の指定について
〇議案第59号 第2期松原市教育振興基本計画を定めることについて

先ずは所管が違う為委員会で質疑できない議案56号について質問しました。
議案第56号「松原市路上喫煙防止条例制定について」
私が初当選した約10年前から河内天美駅前の美化については意識をもってボランティアをしてきました。
その間、路上喫煙での吸い殻のポイ捨てが原因で小さい子どもの火傷あるいは服の損傷、更には火種をそのままにすることで火事につながる危険性を訴えもしてきました。
なかなかその声も届くことが無く、徐々に路上喫煙を禁止する自治体が増え、来年の万博開催を控え、また隣の大阪市が全面路上喫煙を禁止する事もようやく条例化に踏み切ったような感を受けました。

大阪市はコンテナ型の喫煙ボックスを設置し、非喫煙者からすると無駄な経費を使って・・・なんて避難も出るかと思いますが、元々の条例化の趣旨は屋外での受動喫煙を防止することです。
屋外での受動喫煙の基準は明確ではないのですが、人の煙を吸うことによる健康被害から身を守ることを謳いながら現在のパーテーションで仕切られただけの喫煙所では目的が達成できません。
現喫煙所を煙が横へ広がらない工夫?はされるものの、漏れる事には間違いありません。
日本禁煙学会によれば無風でも半径14mは広がります。
複数人で吸えば、風が吹いていればもっと範囲は広がります。
吸う人の権利もしっかり守らなければならない。
吸う人が吸わない人から疎まれる、両者の溝を深めるやり方は良くないと訴えました。
毎年約10億円もの市たばこ税が入っています。その財源で十分設置できるはずです。
特別交付税の参入もあり、クリーンな環境を目指さなければなりません。

きれいな喫煙所を保つことで、ポイ捨ては減ります。
街がきれいになることで住民は快適に、また市外から来られた方は松原市の良さに気付いてくれます。

その為にも、せっかく条例化するのならもっと環境を整え、禁止エリアを拡大し、商店街を通る人が快適に買い物や通行が出来るようにしてもらいたい。
今では禁止エリアは狭すぎる。
これで決めて終わりではなく、常に住民アンケートを取ってそれに沿った有識者会議で議論と的確な対応をお願いしたいと思います。

続いて議案第50号令和6年度松原市一般会計補正予算(第5号)中の条例に関する予算について質疑しました。
路上喫煙防止条例に関する禁止エリアの啓発看板設置に係る予算。
私はその看板の設置だけでは効果があまり期待できないと思ったことから、河内天美駅前ロータリーにある「マッキービジョン」という大型モニターの活用と路面表示を提案しました。
モニターに設置されたスピーカーを活用し、音声で定期的に流すことで行き交う人全てが認知でき、路面標示では歩くことでどのエリアが禁止エリアかが理解できる。
事前に使えるかどうかの確認をして提案をしました。
路面標示については、それで滑ることがあるとの説明がありましたが、それなら全ての表示は取ってしまわないと。

3回だけの質問なのでそのあたりを質すことが出来ず質問を終えましたが、是非参考にして貰いたい案件です。

そして、全ての本会議場での議案質疑が終わり、それぞれの常任委員会に付託され審議されました。
私が所属する総務建設委員会では議案第50号と51号について。
第50号の一般会計補正予算の内、「物価高騰対策等緊急支援事業」に係る2億3,781万9千円について質問しました。
事業の中身については物価高騰で年末年始の入用が多い時に家計支援と言う観点から5キロの「お米」を各家庭に配るというもの。
スケジュールについて確認し、往復はがきでの申込制とするとのこと。
外国人世帯も含む住民票を置く全世帯にお知らせするとのことだが、日本語が分からない世帯への配慮はどうなっているのか、不要な人だけ返事を貰えば官製はがきで郵便代も節約でき、早めにお米を配布できるのではないか?と制度設計がまだ決まっていないと言うので私の意見を述べさせてもらいました。
(実際は粗方決まっていたようですが・・・)

ローリングストックの意味合いもあるとの説明がありましたが、お米は加工食品でなく、かつ精米していることから味の事をとやかく言わないのなら別ですが、お米はそもそも生もの。
一般的に数年備えておく部類のものではないのではないかと質問冒頭に付け加えました。
先日の日向灘沖地震が南海トラフ大地震を予感させるものとして臨時情報が出たことからいったんお米が手に入らない時期がありました。それをもって今回の配布は万が一の備えにもしてほしいと。
気持ちはわからないではないですが、日ごろから大量に保存している一般家庭は少なく、5キロも直ぐ無くなる量。物価高騰による家計負担軽減の一助と言う理屈で十分な気がします。

国からの交付金を予測してのことですがが、短期間で制度設計を行った高額な事業でもあるため苦情が出ないようにくれぐれも慎重に進めて頂きたいことを願って賛成の立場を取りました。

先議案件は全て各常任委員会・本会議ともに可決となり、初日は終了しました。

総務建設委員会行政視察(札幌市)【札幌ICT活用戦略】


令和6年11月7日(木)午前10時~11時
札幌市役所を訪れ、DXの現状と方向性について学びました。
デジタル戦略推進局スマートシティ推進部デジタル企画課の簑島企画係長にご説明頂きました。

2020年には197万人が居住する札幌市も2040年には185万人へと減少が予想され、生産年齢人口もそれに伴って121万人から102万人に減少が危惧されています。
2060年には市役所職員が2~3割減る中ではより一層のデジタル化が求められることが懸念されています。

1980年代の情報産業の振興がきっかけで平成9年に情報化構想、平成13年にはIT経営戦略が立てられ、平成16年にはIT戦略、平成29年にはICT活用戦略、その後令和2年に改定され、令和3年にはDX推進方針が立てられました。
ICTの活用が叫ばれていた頃はAIやビッグデータ等先端技術の活用が推進されていましたが、コロナ禍になり行政のDXが進んだことが背景にあります。
当初デジタル化が進んだ分野としては産業・観光・移動・交通の分野であるものの、行政は進んでいないとの分析からDXの推進が加速しました。

札幌DX推進方針については、「人口減少社会において、誰もが安心して利便性を実感し、真に市民生活の質の向上につながる市民目線によるデジタル改革」を地域社会全体で計画的に進めることを目的として策定されています。
重要ポイントとして…①市民起点の行政サービスの提供②飛躍的な業務の改革③スマートシティの実現④地域産業のデジタル化を掲げておられます。

札幌市の目指すデジタル社会の形成には、一般的な「行政のデジタル改革」に加え「地域のデジタル改革」の構成で先述の4つの重点ポイントを具体的に示されていることが札幌市の特徴とのことです。

行政のデジタル改革では、①市民目線で考え、②持続可能な行政サービスを提供し、③社会課題解決と新たな価値の創造に挑戦することを基本原則としています。
進めるにあたっては、STEP1(現在の姿)からSTEP2(あるべき姿)を描き、STEP3(実現可能な姿)を求めていくこととされ、打ち合わせには業務担当課とデジタル担当部局とのかなりの真剣なやり取りがされるようです。この業務プロセスの流れが、困難なDX化の実現には不可欠なものだと理解しました。

また、今回の視察の目的である「ICT活用戦略」すなわち、「地域のデジタル改革」においては地理的価値・人的価値・技術的価値・創造的価値を創造し、それの向上をさせることをICT活用戦略の目標としています。
つまりは産業振興と暮らしの利便性の向上を図ることが求められます。
また、こういった事を実現するには行政だけでの牽引力だけではなせるものではなく、やはり民間との連携が必須です。
①行政サービスにおけるクラウドの活用②働き方改革の推進③スマートシティの実現④サイバーセキュリティの強化という4本柱で官民連携に取り組んでおられます。
高齢者などデジタルデバイドの解消に向けた取組みや先進的サービス等の実証実験にも果敢に挑戦させておられ、北海道のエンジンである札幌市の今後の発展にとってはデジタル改革は十分に寄与するものであると考えるのと同時に、こういった先端技術の開発・推進には政令指定都市レベルの人的・物的・資金的資源と担当部署の情熱、並びに各市役所部局の積極的な取組みが必要不可欠であることを認識することが出来ました。

総務建設委員会行政視察(石狩市)【オンデマンド交通「いつモ」】

令和6年11月6日(水)午後2時~3時30分
北海道石狩市役所を訪れました。
企画政策部企画課交通担当課の佐々木課長と山本氏から説明を頂きました。

平成8年9月1日に、石狩町は「石狩市」となり市制が施行され、着々と発展をとげています。
平成17年10月1日、石狩市・厚田村・浜益村が合併して、新「石狩市」が誕生しました。
人口約57,000人、市域が約720㎢。人口の多くが旧石狩市南部に集中しています。
逆に言うと厚田や浜益地域は人口が少なく高齢化が進み、公共交通の空白地域になっています。

昨今、国内では利用者の減や人手不足から公共交通の維持が困難になる中、国の「地域公共交通共創・Maas実証プロジェクト」の補助制度を利用し、令和4年度から実証運行をされている石狩市。
近年、商社がオンデマンドサービスに乗り出し、利用を自治体に進めてきていることもあって、丸紅がイスラエルの会社が開発したシステムを石狩市に紹介し、石狩市の公共交通環境の課題にも合致したことから実証運行に踏み切りました。
かつては石狩湾新港立地地域に軌道を整備する計画がありながら中々進まず、現在約700もの企業が立地するところへ何らかの通勤手段を確保しなければならない課題を抱えてきたことと幸いにも地域公共交通会議での同意もあり、大手バス会社や2つのタクシー会社に運行委託をし、通勤系と市内系に分けてオンデマンドバスを進めてきました。
利用者も2年目は増えましたが、収益を上げられるには至っていません。
国の補助制度も数年で終わりを迎えるにあたり、今後は一般財源を持ち出してまで継続するのかを疑問に感じて数回質問をしました。
やはり公共交通の空白地域を抱えながら運転手不足も相まって、民間運送事業者では支えきれない環境であれば行政としても手を引けない状況であり、利用者数のいかんに関わらず予算を付けなければならないようです。
今後、議会の理解も必要になるだろう。
やはり地方における公共交通の苦悩を肌で感じました。
国の補助を貰っている間は石狩市が窓口となり、かなりの負担を抱えて各機関を取りまとめているが、今後は活性化協議会をつくり、市が補助を入れる中で極力市の負担も減らしていく予定との説明もありました。

若者の自動車運転免許の取得に対する意識の変化や高齢化による免許証の返納もあり、市民の移動手段を確保しなければならない行政の役割が益々クローズアップされています。
持続可能な仕組みにするには税金の投入は避けられない時代に突入しています。

本市においては公共交通空白地域はないものの、狭い市域ながらも移動に困る高齢者は増えています。
無料のコミュニティバス「ぐるりん号」がいつまで継続していけるのか、その在り方を以前から市に問いかけていますが、オンデマンドにしたからと言って様々な課題解決も容易ではないと今回の視察で改めて感じたところです。