公共施設特別講座 2日目

本日は公共施設特別講座2日目。

③10:00~12:30
『公共施設更新費用と財政的な視点』
④13:30~16:00
『インフラ老朽化の課題』

③では財政を専門とする財政的な視点からの説明で始まり、国費や地方債の考え方については元財政課職員でしたのでよく理解は出来ました。
国の制度や予算をどう活用するかによって今と後年度の負担がかなり変わってきます。
それに加えてどの起債の種類があたるかによっては交付税参入があるか無しかで財政的な負担も変わります。
等級化した施設の更新に関してはどの自治体も悩ましい問題です。
予防保全の観点から長寿命化をして活用し続けることが基本的な考え方になると思いますが、人口減少に伴い全体的な送料の抑制も考えないと維持修繕にかかる費用は増えるばかりです。ましてや利用者の事も考えると例え公共施設であろうとランニングコストを賄える収支見通しを立てないと赤字の垂れ流しでは立ち行かなくなります。

公共施設の集約化・複合化も視野に入れながらこれからの住民ニーズに合った公共施設の在り方を今から研究検討していかないと取り敢えずの延命治療だけではツケを後年度に回すだけだと思います。

④では主に自治体が担う土木関係の投資の更新時期を迎えるにあたり、その中でも道路、上下水道菅、橋梁など老朽化によって全国的に事故が生じている事例も交えながら対応の必要性を学びました。
本市は平地で面積も小さい自治体であることから、あらゆる面において効率的に税の活用をすることが出来ています。
基幹管路の耐震化も100%達成し、災害時にも住民の暮らしを守ることを第一優先で市政を進めて頂いています。
早くから進めた下水道も普及率が高く、衛生的にも安全性にも優れた街並みが実現していますが、老朽化した下水道管の更新も今後必要となっています。
そのような状況において全国的に技術系職員の採用問題を抱え、今後益々必要性が高まる職員の不足が課題となっています。
小規模自治体では職員の数も不足していて、土木と建築のそれぞれの分野のバランスの整った職員体制は望めない中での市政運営の舵取りは非常に難しいものと感じました。
必要な人材を自前で育てる発想もこれからは必要な時代なのかと思ったりもします。
自治体職員がかなり転職等で流動的になってきている昨今、働き甲斐の有る職場づくりにも傾注しなければならないと改めて感じた次第です。

公共施設特別講座 1日目

今朝は6時15分新大阪駅発東京駅行きの新幹線に乗り込んで、新宿にある会場で10時からの公共施設特別講座を受けました。

①10:00~12:30
『公共施設問題の基礎』
②13:30~16:00
『学校統廃合と公共施設問題』

議会で配られた地方議員研究会が主催する講座案内チラシのこのテーマに目が留まり、直ぐに申し込みました。
本市でも全国の潮流にあるように公共施設の今後の適切な維持管理が問われています。

人口減少社会であり高齢化を迎え、公共施設をこのまま維持管理していくことの問題点を講師の立命館大学政策科学部の森教授から説明され、今後住民にかかる負担が重くなるのは必至です。
人口急増時代に増えた公共施設の一人当たりの延べ床面積をどう減らしていくか、どの自治体とも大きな課題がのしかかります。
①の基礎講座では財政的な見地からこのままでいくことの適当なサービス配分が可能かどうかの問題点を分かりやすく教えて頂きました。
適切な公共施設のマネジメントをしなければ、維持管理費に予算が費やされ、一般財源等を他の政策に振り向けることが出来なくなります。
参加されている議会の一部の状況を分析しつつ、先進的に取り組んでいる自治体の事例をもとに講義が進みました。
公共施設の整理の仕方について何が正解で不正解かはありません。
その土地土地の課題は様々で、色んなケースを知ることで引き出しを多く持つことが肝要なのだと学びました。

②では特に公共施設の延べ床面積の多くを占める教育施設をどのように縮小方向へ導くか。
アプローチの仕方や環境が違う中で、松原市にあった考え方を見つけていかなくてはいけないですが、一体誰が絵を描き推進していくのか。
地元から上がっていくことが最も円滑に進むような気もしますが、地域を巻き込んでの統廃合するパワーは想像を絶するものだと想像します。
講師からは、廃校する側の学校の利用も同時に考えないと上手くいかないとの貴重な見解をお聴きし、地域ごとの合意の下で統廃合を進めなければならないのなら、そう簡単には物事が進まないことを改めて思い知らされる研修第1日目となりました。

建設すること以上に整理することの理屈をどう住民に理解して貰えるかが重要となります。
良いものに建て替えることが出来れば住民の理解も進みやすいですが、ただ単に無くすということはかなりの説明責任が必要です。

市政を担うリーダーとして決断することが求められますが、政治家としては出来るならば避けたい分野であることも事実です。
しかしながら先延ばしすることによって、今後益々多様化する住民サービスの質と量を狭めないように注力しなければその自治体の明るい未来は開けないこともまた事実だと思います。

愛知中学校での起業体験プログラムを視察しました

6月5日(木)午前10時50分

起業体験プログラムを実施している愛知中学校。
一年生の5クラスがこの日、2回目のプログラムに臨みました。

市が国からの補助金を取り、起業を学ばせる授業を意外にも学校が快く受入れたとのことを教育委員会の方からお聞きしました。
なかなか学校のカリキュラムを考える上では新たなものを持ち込むのは難しいようですが、学校は良い判断をされたと思います。
貴重な機会に立ち会うことが出来て光栄でした。

綿谷さんも講師として参加される中、メイン講師の「公益社団法人ジャパンチャレンジャープロジェクト」の代表理事を務められる中川直洋氏に出会うことが出来ました。
中川氏は、私の出身高校の後輩であり松原市の観光協会を受託する会社を代表する池嶋君とも親交があるとお聴きし、世間の狭さに驚嘆しました。
こういった分野に携わる人は全国どこかで繋がっているんだと改めて感じました。

プログラムが10時50分に始まり、前半3クラスの生徒が集まる中で中川氏の説明と綿谷氏の補足説明で生徒は理解を深め、それぞれのクラスで自分のグループで会社名、顧客であるターゲット、販売商品、その商品の特徴などを話し合って中川氏やその他の講師との間でブラッシュアップするなど教室内は白熱した雰囲気に包まれ、11月23日の実践のイベントに向け歩みを進めていきます。
またその時に訪れたいと思います。

生徒なりに企業と言う初めてのテーマに対してグループ内で相談しながら必要な事を整理し、成功するためには何をすべきかをしっかりと講師や先生から指導を受けていきます。

教室では生徒たちが考えた企画を横で聴かせてもらっていましたが、中学生ならではの発想に驚かされつつ、また中川さんの意見の引き出し方の上手さに感心し、予定された午前中の2時間あまりがあっという間に過ぎました。

終わりがけに単なるオブザーバーの私にも愛荘町に感じるものを商品開発の為に参考に聞かしてほしいという女子生徒も居て、全然詳しくないので答えに詰まりましたが、自分が感じる愛荘町のイメージを伝えたものの、それを超える答を望んでいることは話をしていて分かりました。

やはり情報化社会に生きる今の子達は考えることのレベルが高いと思いました。

自分の中学生時代と比べて基本的な中学生の現在の水準が高いことを感じたと共に、一種あっけらかんとした立振る舞いの中にも自分たちの求めるものに対し真摯に向き合おうとしている秘めたる思いに気付かされました。

私との雑談の中で移住してくる世帯よりももっと従来からの住民に力を注ぐことが必要と仰られた中川さんに深く共感し、地域で就職出来る環境づくりの大切さを学びました。
学校や行政はもっと市内の企業を子ども達に教えていかなければ地元で働くことはしない、と至極当たり前の事に納得しました。

松原市でもこういった取り組みが広がることが子どもの成長を促すと共に不足している企業の人材が潤うことになるのではないかと考えさせられた視察でした。

綿谷さんを通じて異例なアプローチ、かつ急なお願いにもかかわらず、市教委の橋本さん、また校長先生には格段の取り計らいに感謝申し上げます。
ありがとうございました!

滋賀県愛荘町にある放課後自習寺を訪問しました


6月4日(水)午後5時
滋賀県愛荘町にある「勝光寺」の境内にある建物の一部を間借りし、子どもの居場所を経営している、松原市出身で「きのくにこどもの村学園元職員」であり、愛荘町の「地域おこし協力隊」であった綿谷駒太郎さんを訪ねました。

お土産のうまい棒に子ども達は大喜び(^O^)/
まるで池に群がる鯉にエサを与えた時のよう(笑)(たとえが悪いかな…(^-^;)

学年の数だけ持っていこうとする子やきょうだいの分も!とか、色々と子どもなりの勝手な理屈でたくさん持っていこうとする知恵には思わず笑ってしましました。
最終的には1人1本に落ち着きましたが…

以前本山の住職さんが亡くなられ、その後は住職が常駐しないお寺を門徒の方々が管理されています。
2022年4月に綿谷さんが地域おこし協力隊として当地に赴任した際に本山の門徒の会長さんと出会い、当時から表明していた子どもの居場所を作りたい思いがようやくこの「勝光寺」で実現したというわけです。


皆さんの協力があって、今では週に2回、多い日に70人、一日平均45人近くが誰でも立ち寄れ思い思いに遊ぶことができる夢の城「放課後自習寺」。
敢えてルールを作らないのが、きのくに子どもの村学園の元職員ならではの発想。
子どもが主体となることに価値がある。
そういう思いで敢えて大人は口を出さないことにしているので、それを疑問視していた周りの大人たちも徐々に理解が広がっているんだそうである。
ついつい子どもを管理することから始まる発想を転換し、子ども達が考えて時にその時々にあったルールを作っていくことの重要性がこの居場所にあることを直感的に感じ取ることが出来ました。

季節によって帰宅時間も変えながら、保護者が安心して通わせられる居場所。
到着した時には外の広場でも自由に遊ぶ様子もうかがえました。
昭和の良き時代の子ども達の姿がそこにはあります。

子ども達によるお泊り会も企画されていて、綿谷さんは横からそれを見てアドバイスをするだけ。
あくまでも主体性を持たせるというコンセプトが自然と子どもを育てるのだと思います。

なにより子どもの素敵な表情が物語っていました。
誰でも無料で来られる放課後自習寺。
異年齢の子ども同士の社会をここで学び、大人になっていったときに関わり方を学んだ子ども達はきっと素晴らしい力を社会で発揮してくれることでしょう。

様々な理由で学校に行けない子ども達だけではなく、誰もが等しく集まれる「場所づくり」が私の求めるところなのだと「放課後自習寺」を見て確信しました。

子ども達が帰ってから、いったん宿泊予定のホテルにチェックインを済ませ、再び自習寺に。

松原市への提案書を作成するために、何が今の松原市に必要かという観点から私なりのこれまでの知識や経験を基に綿谷さんとブレストをし、かつて会派視察をしてかなり感銘を受けた「こうちこどもファンド」をこの放課後自習寺の発想と絡ませ、様々な機関とつないで運営していけないか。
それには子どもを成長させる環境を整えながら地域課題にも取り組む要素を盛り込むことによって、松原市独自の施策が出来上がると思います。
あっという間に2時間が過ぎました。

やはり現場に足を運ぶことが大切だと再認識しつつ、実行していくことは決して簡単な事ではありませんが楽して明るい未来は開けません。

とても意義のある視察でした。

明日は愛知中学校にて起業体験プログラムを視察します。

令和7年第1回定例会 閉会にあたって

令和7年3月26日(水)
午後1時から最終日の本会議が開会されました。

議会初日に提案された議案についての各委員会での審査結果の報告と討論採決、追加議案についての提案理由と審査及び採決が行われました。

今定例会は来年度予算を決める大切な議会です。
それだけに理事者共に緊張した議会となります。
来年度は澤井市政が市民の審判を仰ぐ大きな節目の予算ともいえるものですが、逆に当初において従来を超える規模の予算が組まれました。
移住定住促進に関する施策や町会自治会の負担軽減や活性化を図るための予算があり、納得できない説明も一部ありましたが、概ね良として賛成しました。

一般会計や各特別会計予算に関して一部の会派から反対討論がなされましたが、予算特別委員会では一般会計予算について賛成討論を行い、本会議でも同様に討論を行いました。

増大する社会保障関係経費が大きく財政を圧迫するものでありますが、同時に老朽化が進む施設の整理にも待ったなしの状況です。
農地から開発が進んでの税収効果や雇用は期待できるものの、それ以上に少子化によって学校施設をどうしていくのか、他の公共施設についても延命するための老朽化対策だけではこれからの質の高い住民サービスの提供に行き詰まりが生じます。

今回上程された議案は全て可決されたものの、やるべきことが山積しつつ、経験豊富な職員が数多く途中リタイアしていく現状に一定の歯止めをかけない事には建設的な課題解決プロセスに進んでいく推進力は削がれるばかりです。
誰もがここで真剣に考えなければ石が坂を転がり落ちるかの如く、良く見えた景色も一変に見るも無残な状態に陥ることは他の国や国内の数々の事例を見ても明らかです。

いつか「住民の満足度ナンバーワンのまち、まつばら」になれますように…と願って今定例会の締めの報告とします。

令和7年第1回定例会 総務建設委員会協議会一般質問を振り返って


令和7年3月24日(月)午前10時開会
総務建設委員会所管の議案の質疑が行われました。
その後、委員会協議会において「総合防災訓練の振り返りと今後について」と言う内容で一般質問しました。

3月9日(日)午前10時の防災行政無線のサイレンで始まった防災訓練でした。
令和7年に実施した防災訓練において避難所を開設するのは住民主体でと進め始めたばかりでしたのでまだまだ住民の間に浸透していませんでした。
「避難所運営ネットワーク」と呼ばれる各地域の団体の代表が各避難所となる小中学校単位での勉強会に参加していたものの、役職の入れ替わりであるとかで実際に訓練への参加が少なく、そこへ来て避難者の住民との連携が上手くいかなかったことから、令和8年はそのあたりの役割と目的を明確化をしっかりした上で松原防災士会理事らと危機管理課職員で話し合って進めてきたものの、最終的には反省点が修正しきらず、今年も訓練に突入してしまったことから、やはり統一すべきところが統一できず、それぞれの避難所に派遣された職員の立ち位置も明確でないまま課題が多く残る訓練となりました。
市としてもまだまだ周知啓発が出来ていないことは認識していますが、実際起こるであろう大混乱の先に避難所を自分たちで開設し、運営してかなくては公助が期待できないということを理解している住民は一握りです。
従って、このまま十分住民がすべき点を理解していないと、防災訓練にも参加する者が減り、周知啓発を行っても響かなくなることを申し上げました。
訓練後の参加者のアンケートからは前向きに自分たちで何とかしないといけないというような意見が増えてきたことが成果であるとのことですが、訓練に参加して学ぶものも交えておかない事には高齢者に開設運営をさせるのは無理です。
開設する手順をいかに啓発するかも、ユーチューブで動画配信するなどしてペーパーでは伝わらない所に力を入れてはどうかとも提案しました。

「ファーストミッションボックス」と呼ばれる開設手順書の入ったボックスを使用して初心者でも開設できるように各避難所のゾーニングマップを完成させているのは全国的にも松原市だけだと思います。
一見地味な箱ではありますが、その先駆的な取組を更に周知啓発し、ブラッシュアップしていかなければこれまでの苦労が全く意味をなさないことになります。
地域住民の助け合いがある田舎の地域は大きな地震の際でも死亡者ゼロだったことが良く話題に上りますが、それが都会になるほど困難となります。
だからこそ、これからの防災訓練には官民連携の下、もっと工夫していかなくてはなりません。
訓練に正解はありませんが、備えがあれば助からない命も助かります。
今は災害関連死をいかに抑えるかに焦点をあてた防災行政が求められています。

本来ならば専門職の「危機管理監」を置くことで知識や経験を積み重ねていくことはとても有効であると思っていますし、以前議会でも提案しましたが、まだまだその必要性が市では感じておられないようです。
災害が比較的に少ない本市ですから、そこまでする必要はないと感じておられるのかもしれませんが、定期的に職員が異動することで何度も振り出しに戻るような進め方が最も防災行政を進める障壁になっているのではないかと感じてなりません。