令和4年11月14日(月)午後1時 長崎市議会棟にて

人口約40万人。松原市の4倍弱、面積は約20数倍の406平方㎞のまち長崎市。
古くからの外国の文化の影響が色濃く残り、様々なところで融合された建築物が見受けられます。
中でも多くの修学旅行生がこの地を訪れており、この日もそうでしたが、1945年8月9日。運命の日。
原子爆弾が投下され、多くの犠牲者を生んだこの長崎で今は過去の様子をうかがい知ることも難しくなりました。
(この後、長崎原爆資料館もうかがって当時の多くの悲惨な資料を観て回りました。)
昨年10月には長崎市恐竜博物館がオープンし、11月には出島メッセ長崎の開業、今年9月には西九州新幹線が長崎に乗り入れられました。
交流人口が拡大をし、今後の雇用の創出や所得の向上が図れ、地域経済の活性化が期待できる地域であります。
また、来年1月には新市庁舎が開庁予定ともあり、様々な面で長崎市のこれからが楽しみであります。

そういった中、田上長崎市長がイクボス宣言をされたとの情報を得て、今注目されている父親の育児参加が進んでいるのか、また、仕事と休日の過ごし方のバランスが進んでいるのかといったワークライフバランスの観点で視察させていただきました。
事前質問に捕捉を加えながら説明して頂くやり方で45分進めて頂きました。
人事担当部署が旗を振るだけではやはり難しく、職員全体で自主的な取組を加速させなければならないという感触をつかんでおられ、まだまだ発展途上と言った感じを受けました。でも松原市よりもかなり前を進んでおられるのは間違いありません。
長崎市が行われた、「職場環境等に対する意識調査」では仕事量やワークライフバランスなど職員の働き方に関する項目でやりがいが低い結果が現れたとのこと。
こうした結果から、職員の働き方改革の実現に向けた取組みを進めることは喫緊の課題と認識され、新たに「ホワイト・ワークチャレンジ」としてスローガンを掲げ、重点的に取り組みを推進することとされています。
そのホワイト・ワークチャレンジとは・・・
経営層・管理職の「働き方改革に関するマネジメント力向上対策」と全職員による「仕事をやめる・へらす・かえる」プロジェクトを行い、組織全体で取り組む流れを作ろうとするもの。職員一丸となった取り組みにより計画上の目標の達成、ひいては職員全員がより良い展望を持って働けるようになるものと考えているとの説明を受けました。

また、イクボス宣言に対する質問では、市長の宣言は行っているものの、他の職員による宣言まで拡大できている状況になく、宣言による大きな反響があるという状況にないという段階だそうです。

そして、男性の育休が進むと職場内での仕事の配分が課題と思うところ、解消方法はどうされているかの質問では、職場での業務再配分も計画的に実施することが出来るよう所属長と育児休業を取得する職員があらかじめ休業の計画等について話し合いをしやすくするためのツールとして「育児介護参加プログラム」を作成するなどして、一定の取り組みは行ったものの、仕事の適正な配分の為には限られた人員の中で人員配置の在り方なども検討しながら進めていく必要があると考えておられるようで、現時点では大きな課題の一つであるとの認識をされていました。

まだまだこの分野では飛びぬけて進んでいる自治体は少ない、もしくは無いのかもしれません。
働き方改革と言われて多くの自治体が独自の方法で取り組まれています。
結局のところは、多様化する住民ニーズと人口獲得の意識が強くなることから生じる様々な取組に対する事務の負担がベースにあり、溶融なく働くことによる閉塞感、また職員間のコミュニケーション不足。負のスパイラルが行政サービス全体を覆っているように感じてなりません。

先進市視察を行ったつもりでしたが、どことも同じ課題を抱えていることを改めて実感した視察でした。