令和3年9月21日(火)午後11時30分 個人質問

環境問題について 脱炭素社会を実現するために松原市として出来る方策は何か

昨年の12月定例会の総務建設委員会協議会にて地球温暖化対策~ゼロカーボンシティ~について一般質問をしました。
脱炭素社会を実現するためにあらゆる課題に世界が立ち向かおうとしています。他人事では済まない状況が既に大規模災害という形で地球の各地で起こっています。
次世代に苦しみや悲しみを押し付けていいのか。
今、気ままに暮らした結果を子孫にツケを回しても良いはずがありません。
12月では「市の地球温暖化対策の推進に関する実行計画(第3次)」の内容と進捗度合いについて問いましたが、国に準拠した目標26%削減にはまだほど遠い状況です。
今年4月の地球温暖化対策推進本部にて2013年度比で46%CO2を削減すると菅総理が表明したことにって、いずれ松原市も準拠することになることが予想されますが、そのあたりの進め方や考え方がどのようなものか、今問わないといけない問題だと質問に至りました。

実際のところ、市の中だけの取組みばかりで、啓発活動や市民や事業者を巻き込んでの施策が十分に出来ていません。これまでからエネファーム設置補助や生ごみ処理機購入補助はありましたが、一部の対象者のみで効果検証も出来ていないのが現状です。
現状の把握と分析をしてこそ、今後の目標が立てられます。
公共施設には太陽光パネルを設置したり、地中熱を利用して光熱水費を節減し、CO2削減に努めておられるが、市内でどれくらいの太陽光パネルが設置され、今後のポテンシャルはどれだけあるのかなど、基本的なデータから抑えていかなくてはなりません。
やみくもに制度を作ったところで、それがどれだけCO2削減に貢献できているのか、またどれだけ市民や事業所に働きかけていかなくてはいけないのか分かりません。
先ずは足元の数字を抑え、インセンティブを持たした制度の確立を提案しました。
 ・太陽光パネルや蓄電池の設置補助
(国の補助制度の上乗せ 主に電気代半額キャッシュバック)

 ・企業への環境配慮型設備投資に対する補助

また、市でも再生可能エネルギーを生み出す施策も不可能ではないと訴え、維持管理が非常に難しくなってきた松原市が所有する少年自然の家「クリエート月ヶ瀬」の今後の利活用に変え「バイオマス発電設備」を民間と協力して建設し、そのエネルギーを公共施設で利用するなど、グリーンエネルギーにも力を入れるよう提案しました。

省エネルギーの観点からは、市でペーパーレス会議を推進するとありますが、なかなか抜本的な紙の削減にはつながっておらず、ここにメスを入れないと仕事も効率が上がらないと指摘しました。現在部長級にはタブレットが配布されており、その階級の会議だけしかペーパーレス会議が出来ていません。課長級迄配布予定は立っており、その後は順次導入していくとのこと。議員も今秋にはタブレットが入り、極力紙でのやり取りを無くそうとしていますので、しっかり合わせて進めていただきたいと要望しました。

市民協働で進めないと達成困難な目標をクリア出来ないことから、茨木市のエコポイント制度を紹介しました。もう間もなく国においても環境省が主導してグリーンライフポイントが来年4月から始まるようです。
お金をかけずに市内事業者にも協力いただき、省エネ行動に関してポイントが付与され、貯まったら商品と交換といった、楽しみながらエコを意識して貰う事は非常に意義があると訴えました。
また、2018年後半、燃料税増税に対する市民の暴動がきっかけとしてフランスに端を発した「気候市民会議」なるものがヨーロッパに広がり、日本でも徐々に広がりを見せ始めています。
市民を無作為に抽出した会議体で、専門家を交え、気候問題に関わってもらい、気候変動対策を議論し、市へ提言を出してもらうといったことが行われています。本市でも考えてみてはどうかと提案しました。

最後に資源循環の観点では、今問題になっている廃プラスチックごみの問題が重くのしかかってきています。
海洋プラスチックの問題が世間で騒がれ、何とかそのゴミを減らしていかないと2050年には魚の量よりもプラごみの量が上回ってしまうといったことも囁かれています。マイクロプラスチックが体内に入り込んだ魚を食べることで人間の体内にも蓄積が始まっていると豪州の研究チームが発表をしています。
既に環境破壊から健康破壊は始まっていると思っても良いぐらいです。
中国や東南アジアを中心とした国々が、プラスチックごみを輸入して、石油系燃料よりも安くつくからと燃料として活用していたが、分別レベルが低いためにリサイクルできないゴミも多く、それが放置されたことにより海洋プラスチックなど環境問題に繋がってきていたことから日本やアメリカなどからの輸入を近年禁止することとなった。
それは日本で年間に排出されるやう900万トンのプラスチックごみの15%を占めていた為、今では国内で滞留していると考えられる。
それをどう処理していくかという問題と直面している。
「プラスチックに係る資源循環の促進等に関する法律」が今年制定、来年施行されるが、先ずは減らすことを基本として、プラスチック製品の合理的使用、長期間使用、過剰使用の抑制、再資源化されたものの使用努力が定められている。日本では「サーマルリサイクル」といった海外にはない考え方があり、年間排出量の58%が熱利用され、その熱で温水を沸かしたり、発電した電気を売電したりと清掃工場の活用も進んできた。
そのプラスチック製品の中でも資源ごみとして回収されることの多い、ペットボトルのリサイクル率を高めようとする動きが活発になってきており、飲料メーカーが頑張っている。
現在本市では、資源ごみとして缶ビンと一緒に回収され、業者で分別されたのち、再生処理工場に送られたりするが、飲料関係会社が直接きれいなペットボトルを住民から直接回収し、再生処理業者に売った代金と回収代金との差額を地域コミュニティに還元する仕組みを導入している大阪市の例を挙げ、本市でも取り組みを提案した。
これはペットボトルの水平リサイクルと言い、石油由来の原料から出来るバージンペットボトルと比較して、60%のCO2が削減できると試算されている。これほど効果的な事はないし、迷うこともない。
地域コミュニティとしても活動原資が少なくても振り込まれるのであれば反対の余地もないはず。
直ぐにその仕組みを導入してもらいたい。
以上、提案や要望が多く、片道30分の質問時間はあっという間に尽きてしまったが、市長には出来ることから進めていくと力強い言葉も戴いた。

松原市は非常に緑が少ないことからCO2の吸収源が皆無に等しい。
また、高速道路の結節点であることから、毎日毎日多くの自動車が松原市内を行き来する。
そんな地理的条件のもと、一日でも早く、「ゼロカーボンシティ」を宣言し、シティプロモーションも兼ねたこの取り組みをしっかりと前に進めてほしいと強く願うところです。