1550223455293[1]20190215_135406[1]20190215_135718[1]

2月15日(金)午前9時

松原市を出発して3時間。京丹後市の丹後庁舎(旧丹後町役場)を訪れました。

視察内容は「ささえ合い交通」

NPO法人「気張る!ふるさと丹後町」が運営する公共交通である。

市からの補助金はゼロ!の独立採算で市民からの乗車料金だけでやりくりしている。

 

アメリカ発のウーバー(※)を活用した「配車システム」を京丹後市丹後町が導入を決めたのが平成28年5月。翌年の1月には京丹後市地域公共交通会議で了承され、国土交通省への登録申請、ドライバーの育成、住民説明会などを経て平成29年5月26日運行開始に至っている。

(※)Uber(ウーバー)は、アメリカ合衆国の企業であるウーバー・テクノロジーズが運営する、自動車配車ウェブサイトおよび配車アプリで、現在は世界70カ国・地域の450都市以上で展開している

もともとはその2年前に市から受託運行で予約型の市営オンデマンドバス(現在も運行中)を当該NPOが請け負ったが、「公共交通空白地有償運送」について検討が開始され、京都府からの紹介で「ささえ合い交通」に至ったとのこと。

丹後町には当時タクシー会社が撤退し、存在しなかったことからウーバーの導入が始まったが、他町にあるタクシー会社の営業を阻害するため、町外からシステムが利用出来ない課題が残されている。

登録した市民がマイカーを活用して、空いている時間にアプリでの依頼を受けて、利用者を迎えに行き目的地に運送しているが、料金はタクシー料金よりも割安に設定されているものの、町外へ出ると料金も高く、ウーバーでの配車を町外から呼べない為、他の民間路線バスや市営オンデマンドバスと組み合わせながら利用しているのが実態である。

 

一方、本市においては、公共施設循環バス「ぐるりん号」が市営で運用されているが4路線で乗車無料。

参考)平成29年度決算 約4,400万円(一部広告収入約30万円強)

年間乗車人数 101,749人

運行は月~金曜日で年間約270日とすると、1日平均乗車数は延べ約370人。

(実人数は往復利用を想定すると約200人)

4路線あるので、無理から平均すると1路線延べ約90人/日(実人数想定約45人/日)

年々利用者の増加も見られ、市民(特に高齢者)の足として定着してきている感があるが、脆弱な市の財政状況を考えると受益と負担のバランスという観点から一度考え直す時期に来ているのかと思い、様々な全国の事例を探した仲、京丹後市の「ささえ合い交通」を視察先に決めた。

公共施設を循環する目的を持ったバスだが、実際の市民の利用方法や年齢層の調査が、我が会派の要望を受けてようやく始まりだしたところ。

路線から住まいが外れた市民さんにとっては不満の声も多く、高齢化が約30%と、これから益々進展する本市は運転免許の返納などを考慮に入れても、ぐるりん号に対する期待が高まることになることは間違いない。

利用者が時には遠い停留所まで行くこと、路線が決まっているがゆえ目的地までの時間がかなり要すること、バスのリース料金、運転手の人件費、管理する市職員の人件費などを考慮すると、本市において、市民・公共交通機関・市財政の三方良しとなるような制度の構築が必要なのではないかと思うところである。

ただし、やはり気になるのは、どの自治体でも存在する「地域公共交通会議」。

そこでの了承が得られなければ、国土交通省への自家用有償旅客運送の登録申請が出来ない。

やり方をよっぽど考えないと、営業が圧迫されるため了承を得られる可能性は低い。

そして、あくまでも公共交通が空白である地域が存在することが前提である。

どう捉えるかは各自治体によるらしいが、松原市では交通の利便性が高いことが売りである点から、それらの条件が高いハードルとなる。

しかしながら、少子高齢化、人口減少により市税収入の先細りが必至と予想されることから、検討することに、十分に意義があるのではないかと思う。

 

市民による支え合い「共同」、本市の「協働」の理念に合致する制度設計を様々な角度から考えてみたい。