令和3年12月6日(月)午後1時半ごろ

今回は以下のような質問内容で質問席に立ちました。
  1.地域猫対策について
  2.天美のまちづくりについて
  3.発達支援について
  4.政策手法について

1.地域猫対策について
 1.請願が採択されたことを踏まえた市の考え方と今後の方向性

第3回定例会にて請願「人と猫が共生する社会の実現に向けた公的支援について」が採択され、それを受けての市の考え方と今後の支援の方向性を尋ねました。現在、担当部署から予算要求をしてもらっていますが、議会では経過について聞けないので今後の対応をどうしていくのかをお聞きしました。
従来から野良猫に関する苦情については、環境予防課が窓口になっていました。ただ、ボランティアさんとの連携が不十分であったことから、なかなか住環境の改善に至らなかったところですが、ボランティアさんのTNR(捕獲・不妊手術・元の場所に戻す)活動に関しての認知が徐々に進むにつれ、ボランティアさんに頼る比重が強くなってきているように感じます。
ただそれでも地域住民の理解はまだまだであり、定時定点のきちんとしたエサやりに対しての厳しい苦情があります。
無償の上自腹を切ってまでかわいそうな猫を減らし、地域のためにと頑張っておられるにもかかわらず、それを守る環境が整っていなかったためボランティアさんが活動しやすい環境を構築することが私の役目と感じ、ボランティアさんが請願を出し、野良猫対策に対する環境の改善につなげていく提案をしました。
市は、ボランティアさんが現状苦しんでいる声を上げることで理解を示してくれ、「ボランティアの方々が活動を行うに際して地域猫活動への理解が得られず、合意形成が得られない大変さや活動のしづらさなどの課題が見えてきたことから、ボランティアの活動が円滑に行われるよう支援する必要があるでないかと認識した」との回答を担当部長より得ました。結果、大阪府との行政による協働の仕組みづくりを作っていくとの説明もあり、今後の行政の役割に期待が持てます。

2.天美のまちづくりについて
 1.地域活性化包括連携協定の中身と今後期待すること
2.セブンパーク天美がもたらす地元経済への影響や商業振興をどう考えているか

計画されてから長年かかってオープンした「セブンパーク天美」。
11月10日のプレオープンから17日のグランドオープンを経て、多くの来店者が市内外から訪れています。
松原市では初めての大型ショッピングモールの出店とあり、今後の地域経済にもたらす影響に大いに期待できるところですが、先ずは11月13日に松原市と(株)セブン&アイ・クリエイトリンク、(株)セブン‐イレブン・ジャパンとで締結された「地域活性化包括連携」の中身と今度期待することを尋ねました。9分野に渡って具体的な事業を進めていく予定で、既に始まっているものもあります。ただ、今回私が心配する中では、当時イトーヨーカ堂がアリオを出店計画することで進んでいた際には、地元商店街との連携が提案書の中に書かれていましたが、出店者が変わり、このオープン時にはむしろ地元商店街にあったお店が数店、セブンパークに移転したこともあってその空き店舗が残る現状をみて不安に感じ、質問をしました。
松原市を発信することには大変メリットがあると感じますが、市内の商業振興に関してひずみを生じるようなやり方では、駅前の賑わいを失い、結果的にセブンパークにも降りかかってくるのではないかと思います。従って、駅前商店街との一体性をしっかりと取って広い地域での活性化を図ってもらうことを要望しました。

3.地元の生活道路の安全対策の強化について

セブンパーク天美がオープンしてから間違いなく週末の交通量が増えています。
松原市は高速道路の結節点であることから、東西南北から車での多くの来店者が来られています。
しかしながら、高速道路を利用しない車両は渋滞回避のため生活道路に入ってきます。
決して松原市内の道路は十分な幅ではなく、日常利用している人でないと離合がうまくいかない場所もあり、なおかつ通学路と重なっており、安全対策の強化を訴えました。大型店が出店する際には、大規模小売店舗立地法には交通渋滞が周辺環境に悪影響を与えないように十分警察と協議することが義務付けられています。まだまだ、そのあたりの指導協議が不足しているように思われます。市からは国道府道に車を回すように交通整理員の配置や来店ルートの更なる啓発活動を求めていくと回答がありました。それに合わせて、普段の交通量が多く、明治橋病院前交差点が非常に渋滞を招き、その回避の車両が生活道路に侵入していることが想像できることから、早期の交差点改良を求めました。

3.発達支援について
 1.家庭・教育・福祉の連携の必要性について

知人女性のお孫さん二人が発達障害を抱え、その子たちの親御さんも十分に子育てができない状況の為、そのおばあさんが本当に困っておられる状況に遭遇しました。放課後等デイサービス(以下、放デイ)を利用されながら、地元小学校の支援学級でも学んでいたところ、ある日友達の何気なく配慮の無い言葉に心が傷つき、5年生の3学期から学校を休むことが増えました。その学校の方針では、出来るだけ登校を促すために学校を休む時は放デイに行ってはいけないことになっているらしく、卒業前の男の子は家で養育が十分にできないお母さんと家で過ごすことが多いとのことでした。
お母さんの養育が十分でないということで、食事を作れず、栄養不足が心配されている、一種虐待案件に取り上げられてもおかしくなく、学校現場も保護が必要だと感じているにも関わらず、外へ出かけることに制限をかけるやり方は到底理解できません。そのあたりの認識を福祉部長と学校教育部長に問いました。要保護児童地域対策協議会や地域自立支援協議会において専門部会を設け、ケース会議にかけているとのことですが、こういった虐待案件は日々変化のあるものであり、会議の中で対応しているだけでは間に合いません。学校現場も福祉と家庭との連携をとるためにコーディネートする人、つまり3者をつなげ、間になって寄り添った支援が出来る人が必要だと訴えました。
福祉部では「環境は整っており、現有体制で対応していく」との回答でしたが、出来ればそれに越したことはないが、ネットワークからこぼれ落ちる人が出ないようにする必要があると再度訴えました。各々が自分のやり方に固執して柔軟な対応を取らないことで誤ったその代償は子どもにいき、取り返しのつかないことになってしまうことを関わっている全ての人が理解しなくてはなりません。
更なる発達支援充実に向け、市に訴え続けてまいります。

4.政策手法について
 1.行政課題に対するナッジの有効活用について

「ナッジ」とは、英語で「そっと後押しする」という意味です。
最近、この行動科学の知見であるナッジを活用して、人々が自分自身にとってより良い選択を自発的にとれるように手助けする手法を効果的に運用する自治体が増えています。松原市でも事故の注意を促す路面表示の設置を行ったり、特定健診や特定保健指導の受診につなげる為に活用し、どれだけ効果があったのかきちんと検証できているのか分かりませんが、実際に多少なりとも効果を感じているようです。
ナッジを活用する理由として3つ挙げられています。
1)費用対効果が高いこと
2)適切なデータの集計と分析で政策の効果を検証する「EBPM」の考え方と親和性が高いこと。
3)ナッジは楽しいこと。

成功事例は様々ありますが、代表的なところでは、たばこのポイ捨てを減らすために吸い殻で投票できるように二つに仕切られた吸い殻入れを活用したとか、ごみ箱の上にバスケットゴールを設置するとか、犬の糞の放置に悩んだ住民が、確認した日付や時刻を黄色のチョークで丸で囲って記入し続けて効果を出したりとか、あるいは大腸がん検診受診率向上に検診を受けない人には来年検査キットは送れません。などと言った文言を入れたことにより効果が出たなど、行動に選択の自由を残し、経済的インセンティブだけで動かすのでもなく、人々の行動を予測可能な形で変えるといったことがナッジの意義と言えるでしょう。人が意思決定し、選択する際の「環境」をデザインし、それにより「行動」をもデザインすることが求められ、効果をきちんと評価意志、エビデンスに基づく政策立案を実施して透明性を高め、説明責任を果たすことが重要です。
本市でも、若い職員の柔軟な発想を取り入れ、楽しく働き甲斐のある職場づくりにナッジを活用してはどうかと提案しました。